『あした咲く蕾』

あした咲く蕾 あした咲く蕾

著者:朱川 湊人
販売元:文藝春秋
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7つの短編物語集です。
朱川さんらしい、昭和のノスタルジックな雰囲気に、
主人公が遠い記憶を思い起こしながら語る、おぼろげな雰囲気が、
さらにアンニュイなヴェールをかけている様です。

あした咲く蕾/雨つぶ通信/カンカン軒怪異譚/空のひと/虹とのら犬/湯呑の月/花、散ったあと

どの作品も、それぞれに良かったですが、「カンカン軒怪異譚」「虹とのら犬」「花、散ったあと」などは印象に残りました。

いつもの朱川さんの不思議物語の要素は少し薄めで、
不思議は不思議なのだけれど、どこか、「あるかもしれない」と思わせてくれるような、
そんな奇跡のようなものばかりでしたので、すっと馴染んできました。

それよりもハートフルな印象の方が強かったです。

「湯呑みの月」のおばちゃま、はじまりはすごくいい雰囲気だったんだけど、
途中から、なんだかとても陳腐になった気がして、残念。

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『少年少女飛行倶楽部』

少年少女飛行倶楽部 少年少女飛行倶楽部

著者:加納 朋子
販売元:文藝春秋
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加納さんらしい、やさしいお話でした。
巻末に、「この本を読んだ人の心が少しでも、明るく軽くなってくれたら・・」
と書かれていましたが、まさしくそんな気持ちになる本です。

中学二年生のピュアな感じと、かわいらしさが微笑ましいです。
ほっこりさせてくれる、箸休めにぴったりの本です。

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『るり姉』

 るり姉 るり姉
販売元:セブンアンドワイ
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るり姉の奇跡の物語。それは、みんなの想いがおこしたものだった・・・。

るり姉をとりまく人達がそれぞれの視点で、別々の時点でのストーリーを綴っていくという展開。

るり姉という感受性豊かで、自由で、元気な愛されキャラの女性は、
やっぱりこうでなくっちゃね、というラストでした。

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『となり町戦争』 

 となり町戦争 となり町戦争
販売元:セブンアンドワイ
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SF未来小説といったところでしょうか。
戦争が、いつの日か町の振興事業として扱われ、
一見、銃撃戦や生々しく表立って血が流れない様なものになる。
だけど、町のどこかで、戦争が行われていて、
その事業としての「戦争」でも、犠牲者が存在する。

主人公もそうだった様に、何だか最後まで、そんな戦争のあり方が、
ぴんときませんでしたが(だって、想像できない)、
でも、どちらにしても、戦争のあり方が変わっても、
そこには犠牲者があり、涙があり、切ないものがありました。

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『ユミリー風水幸せの法則』

ユミリー風水幸せの法則 Book ユミリー風水幸せの法則

著者:直居 由美里
販売元:双葉社
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細木和子の暴露本を読んだ後だったので、
ユミリーさんの文章がとても優しく感じました。

風水といえば、黄色いものをどの方角に置くとか、
そういったイメージが強かったのですがそれだけではないのですね。

風水は占いではなく、学問であること。
運気の見方は結構難しく、興味深かったです。

運気はサイクルで回っているというのは、四柱推命と同じ様な感じですね。
私が思っていたよりもチャラチャラしたものではないことが分かりました。

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『魔女の履歴書』

 細木数子魔女の履歴書 細木数子魔女の履歴書
販売元:セブンアンドワイ
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読後はもう、げんなりでした。
私はこの本を読むまでは、六星占術の本も買ったり、
彼女の出演するテレビは好んでよく見ていたし、
ズケズケな物言いも、それほど嫌悪感を持っていませんでした。

それどころか、彼女が引用する論語などを聞いて、
“博学だなー”などと感心したりもしていました。

そして、先祖を敬い、男性を立て、女性は女性らしくという、
もっともらしい常識的なことを語るので、悪い印象は無かったのです。

でも、テレビ的には面白いかもしれないけれど、
ちょっと不信に思う一面も無いこともなかったのです。
例えば、とてもお金に執着があること、えこひいきがひどいこと(特に男性)。
その不信に思っていたことの裏付けが全て書かれており、
深く納得してしまいました。

「なるほど」と合点がいきました。

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『蟹工船』

蟹工船・党生活者  /小林多喜二/著 [本] 蟹工船・党生活者 /小林多喜二/著 [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
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現在の格差社会にもつながる様な内容でした。
しかし、今の「派遣切り」などとは比べものにならないほど(質が違いますが)、
不当な扱いを受ける労働者達の過酷な労働情景が描かれています。

こんなひどいことがあり得ていいんだろうかと思うほど、
今では考えられない様な資本家の横暴ぶりですが、
どんな劣悪環境でも、耐え忍ぶしかなかった労働者達が居たのも、また事実だったんですね。

カムチャッカ沖で蟹をとり、船内で缶詰にする蟹工船、
はるか海のかなたの船内での出来事だから、
余計にエスカレートして、好き放題だったのでしょう。

でも、そんなことがいつまでも許されるはずはない。
労働者達もただ我慢していられるはずはない。
こぶしをあげる日が来るしたがはず。
そう、そうでなくっては。

ほんとに辛いばかりの前半のストーリーで、
最後に少し光が見え、ほっとしたのを覚えています。
(読後からかなり時間が経っているため、感想が若干曖昧になっています)

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『あの歌がきこえる』

 あの歌がきこえる あの歌がきこえる
販売元:セブンアンドワイ
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あの歌を聞くと、あの頃を思い出す。
あの頃を思い出すと、あの歌が聞こえる。
そんな風に、音楽って思い出と一緒に記憶に残ってますよね。
音楽もそうだけど、情景や、香りなんかもそうですよね。

少年の中学一年生から、大学への一歩を踏み出すまでを音楽と共に語る青春小説です。
青春小説っていいですよね、これから!って感じで夢があって。
これからまだまだ未知な人生が待ってる。
そんなワクワク感が読後に残ります。

ほんの少し自分の世代とは流行った歌が違うのですが、
ユーミンやサザン、オフコースなんかは自分の中高時代に重なるものがあり、
作中にユーミンの「DESTINY」という曲にまつわる章があり、
昔の恋人と会ったときに安いサンダルを履いてたことを悔しがる歌詞の意味がさっぱり分からないという主人公には笑ってしまった。

けど、その歌詞の意味が当然の様に分かるのは、今だからですね。

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『流れ星が消えないうちに』

流れ星が消えないうちに (新潮文庫) 流れ星が消えないうちに (新潮文庫)

著者:橋本 紡
販売元:新潮社
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読後感がとてもいい本でした。
思いっきり恋愛小説なのに、重松さんがイチオシしてて、
解説まで書かれているがちょっと違和感があったのですが、
なるほど、恋愛小説ではあるけれど、
それプラスアルファの「(喪失と)再生」がテーマになっているからなんですね。
ここでようやく重松さんとの接点というか、重なる部分を発見。

絶対にうまくいきっこないや、と思っていた恋愛だけれど、
それぞれが、それぞれの方法でいつしか、
喪失の悲しみや、束縛から再生していく。
その様がとても鮮やかに描かれていました。

三人が手と手をつないで、まーるい輪が出来た感じです。
こんな恋愛のありかたもあるんですね。

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『f植物園の巣穴』

f植物園の巣穴 f植物園の巣穴

著者:梨木 香歩
販売元:朝日新聞出版
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今まで私が読んだ梨木さんの作品には無かった作風でした。
夢うつつで、異世界に紛れこんでゆく主人公に、過去の記憶がずるずると現れてきます。
封印してきた過去の出来事を図らずも開けてしまうことは辛いことだろうな。
自分ならそのまま、忘れて日常を生活したい。

少し古風な言葉遣いや、男性の主人公というのも新鮮で、
梨木さんの作品ではないような気がしながら読んでいました。

でも、植物園が舞台で、水生植物園の風景が出てくるところは、
やっぱり梨木さんならではかな。

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