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りかさん

りかさん りかさん

著者:梨木 香歩
販売元:偕成社
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以前『からくりからくさ』を読んだけれど、この本はその主人公蓉子の少女時代のお話。
お話の中には、おばあちゃんも登場する。
蓉子が市松人形の「りかさん」とめぐり合うところから始まる。

蓉子が何故人を包み込むような優しさをもった女性になったのかが、うかがい知れます。
生来の性質というのもあるのでしょうけれど、
幼いころから、「人形たちの相手は植物の水やりに似ている」なんて思う感性があります。
人間以外のものでも、自然全てを命あるものとして自然に受け入れてしまえるんです。

蓉子が何故、染物の世界に入っていったのかも分かりますし、
後につながる伏線もここではられています。

人形たちの背負った過去を、りかさんと蓉子とおばあちゃんとで、
聞きだしそっと優しさで包み、癒しへ導いていくのですが、
それは簡単なことではなく、ひと仕事でした。

後に続くマーガレットの話や、日米親善使節の任を背負ってやってきた
「アビゲイル」の話などは、特に切なく辛かったです。

「人形の使命は生きている人間の、強すぎる気持ちをとんとん整理してあげることにある。」
とおばあちゃんは言う。
とは言え、人間の業の深さ、そしてそれらを吸い込んだ人形たちの長きにわたる苦しみ、
嘆きを思うと、切ないお話でした。

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