蛍川
| 蛍川 (角川文庫) 著者:宮本 輝 |
川を舞台にした二つの作品です。
「泥の河」は幼年期の少年、「蛍川」は思春期の少年の目を通して、
突然訪れる死や、不条理な世の中、人生の哀歓を、叙情たっぷりに描いています。
全体的には、どこか切なく、くすんだ色合いなのですが、
随所に、艶やかな色使いがされているのが際立っていました。
廓舟の母親の妖艶さや、泥の河に棲むおばけ鯉、夏祭りの花火の色、
燃える蟹の炎、降るように舞う蛍の群・・・
偶然に手に取った本ですが、思わぬ拾いものをした様な気持ちになりました。
良作だと思います。
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