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『十二歳』

十二歳 十二歳

著者:椰月 美智子
販売元:講談社
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第42回 講談社 児童文学新人賞受賞作品。

初めて読む作家さんで、どんな感じかなぁ?と楽しみに読みました。
これがいわゆるデビュー作品で、正直あまり期待していなかった分、
想像以上に新鮮、鮮烈で、お気に入りの作家さんになりそうです。

かつて十二歳だった大人の女性が読むと、
絶対分かる分かるって、理解できるエピソードばかりで、
自分ではその時は自覚していなかった成長の過程も、
今だから、“そうだったよな~”って思える。

大人になる前の子供。小学生も高学年になると、いろんなことが変わってくる。
自分も周りも、心も体も。1年でうんと違う。
大人になってからの1年とは全然違うスピードで変化していくこの年頃の、
揺れ動く気持ちが、ほんとに新鮮でした。

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『佐藤さん』

佐藤さん 佐藤さん

著者:片川 優子
販売元:講談社
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出だしはコミカルで、幽霊が見えたりしゃべったり、
そのうち守護霊になったり、面白おかしい展開かと思いきや、
最後はドカンと重いネタが仕込まれていて、
“おいおいここにきてそれはちょっとハードだろ…”と思ったけど、
結局は純愛物語で、ヘビーさを感じさせない爽やかさでまとめてありました。

こんな純朴な高校生があるのかなって、
読んでると小学生が主人公だったかしらと、錯覚するほど。

でも、こんなに純粋だからこそ、これこそがほんとに人を好きになるということかと、
思い出させてくれた気がします。

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『オレンジソース』

オレンジソース (きらきらジュニアライブシリーズ) オレンジソース (きらきらジュニアライブシリーズ)

著者:西田 多希,魚住 直子
販売元:佼成出版社
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いじめから脱却するための、一歩。その一瞬を捉えた作品です。
とても短くて、大きな活字なので、すぐに読めます。

いじめは、極ささいなことから始まりますよね。特に小学生の頃は。
少し目立つことをしたら、それをしつこくからかわれて、それがいじめにつながる。
オレンジソースというお洒落なワードが、
いじめのニックネームになっているとは・・・
こういう洒落た言葉も、「気取っている」や「えらそう」という風になり、
いじめの対象になるというのは驚きではありますが。

この作品の、この「一歩」の後が気になるところですが、
それはさて置き、この一歩の勇気が何よりも大事ということですね。

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『妊娠カレンダー』

妊娠カレンダー (文春文庫) 妊娠カレンダー (文春文庫)

著者:小川 洋子
販売元:文藝春秋
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芥川賞受賞作。

なかなかインパクトのある表題で、その他に「ドミトリイ」「夕暮れの給食室と雨のプール」
という3つの短編からなっています。

どの作品も、ひんやりとした雰囲気が漂う、少しぞくっとする独特の世界観で描かれていました。

こういう作風、好きだなぁ。
久しぶりに小川さんの書く静謐な雰囲気にふれた気がしました。

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『なかよし小鳩組』

なかよし小鳩組 なかよし小鳩組

著者:荻原 浩
販売元:集英社
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1998年発売というから、今から10年以上前。
表紙がちょっとレトロな感じを受けるので、昔の本かな?と思いました。
中身もところどころ時代を感じさせたりして。

タイトルから、かつて幼稚園の「こばとぐみ」だった同級生が、
おやじになってからの物語かな、なんて勝手に想像していましたが、
まるっきり違いました。
そんなかわいい「こばとぐみ」ではありませんでした。

2,3文句をつけたいところが、個人的にはありましたが、
トータルでは面白かったです。
特に小鳩組との面々との絡みは笑えましたし、人情味もあって、こわ面白く楽しめました。

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『草祭』

草祭 草祭

著者:恒川 光太郎
販売元:新潮社
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もう一押し!と思うのは私だけでしょうか。
いい感じではあるのだけれど、
「良かったぁ!」って言い切れない中途半端な気持ちが残ってしまいました。

短編連作になっていて、「美奥」という現実の世界とは、
少しずれたあやかしの土地が舞台になっていて、
その「美奥」自体は、とても魅力的で面白い設定だと思ったし、
「屋根猩猩」や「天化の宿」のクトキやテンゲも面白い発想だと思った。
でも、作品全体を通してみたとき、ちょっと、
ばらつきを感じるというか、もうちょっとまとまりが欲しかったかな。

恩田さんの「常野物語」を連想させるけど、そんな風に「美奥物語」として、
続編が出て欲しいな、そしたら絶対読むなとは思います。

だって、「美奥」はとても神秘で魅惑的な場所だから。

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『どこから行っても遠い町』

どこから行っても遠い町 どこから行っても遠い町

著者:川上 弘美
販売元:新潮社
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11の話が入った連作短編集です。

東京の少し田舎の商店街を中心に、そこで生活を営む人々の生活や思い出が、
1編ずつに収められ、それが少しずつある1点、1面で交差したり、重なったりしている。

日常生活の積み重ね、ごくありふれたものだけど、川上さんの独特な世界観で描かれています。

それはどこか儚く、ぼんやりとした印象でした。
短いセンテンスで易しい言葉で書かれていながら、
その言い回しはやはり独特でした。

お話の内容は、時間が経てば忘れてしまいそうですが、
川上さんらしい作品で、どちらかというとまだアクが足りないくらいでした。

良かったのは、「四度めの浪速節」や「長い夜の紅茶」等ですが、
みんなどこかでつながっているので、それぞれにどのお話も面白かったです。

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『希望ヶ丘の人びと』

希望ヶ丘の人びと 希望ヶ丘の人びと

著者:重松 清
販売元:小学館
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つい先日読み終えたばかりの『とんび』と同じく、
父親物語ではあるけれど、時代の背景が違うから、父親像が全く違う。
『とんび』が頑固オヤジなら、『希望ヶ丘の人々』はマイホームパパといった感じ。
そして『とんび』も『希望が丘の人々』も母親が居ない。
そういう「欠けた」家族を重松さんはよく描かれる。

「欠けた」家族だからこそ、家族がまた周りの友人達が、皆で補いながら、
懸命に生きている。やっぱり、重松作品は熱い。
中年オヤジは頑張ってます!という感じ。

そしてやっぱり、最後には泣かされてしまう。

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『とんび』

とんび とんび

著者:重松 清
販売元:角川グループパブリッシング
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照れ屋で、不器用な父親物語。

泣かないかなと思ったら、やっぱり、最後の方はダメでした。
父親奮闘の山あり谷ありの記録が丹念に書かれているだけに、
最後の方は、今までのことが思い出されたりして・・・

子供が育っていくということは、親は老いていくということで、
それは自然の摂理だけれど、ちょっと寂しくなったり、
でも、やっぱり、結局最後は、幸せだったなーと思えて、
本を読みながら、一緒に子育てを見守ってきた気分なので、
「あー、良かったなぁ」としみじみしました。

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『風花』

風花 風花

著者:川上 弘美
販売元:集英社
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川上さんにしては、何だかじれったいストーリーでした。
夫婦の溝が出来てから、不穏な空気のまま、きちんと話し合うこともなく、
何年も過ごせるっていうのは、自分の中ではあり得ない気がする。

主人公のキャラが何だか、ぐずぐずしていて、はっきりしなくて、
読んでてイライラしてしまう。
それでも、少しずつ、変わっていって、最初と最後ではずいぶん違うんだけれど。

でも、相手や、自分の気持ちと向き合うのに、こんなに時間がかかるものなのかなーと。

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『おひとりさまの老後』

おひとりさまの老後 おひとりさまの老後

著者:上野 千鶴子
販売元:法研
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結婚してても、してなくても、子供が居ても居なくても、
「おひとりさま」になる可能性は誰にでもあって、
そして、そうなった時の備えに、こうしておくべし!というマニュアル(?)本。

これらの心得をしておけば、いざ「おひとりさま」になっても、
何も不安になることはないという。

一人の老後を想像するには、まだピンと来ない年齢だけれど、
「一人」に対する考え方を、誰かと居る間から持っていれば、
「一人」に対する免疫が出来て、急に慌てずに済みそうだ。

絶対安心ということは無いのだから、常から自立しておくのは重要なことだろう。

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