読む前は、こういう闘病の本は、きっと涙なくしては読めないだろうと、
重い雰囲気を想像して、覚悟して読み始めたのだけれど・・・
確かに、体の状態は悪化していき、生死の境をさまよう事態にも何度も陥る。
だけど、そういった状況の中で、逆に気持ちがとても元気で、
生きる力にあふれているのが感じられるのが不思議だった。
文章だけ読んでいれば、この人元気なんじゃないかって、
とてもガンのターミナル患者が書いてるとは思えない。
「生かされている」という強い意識、
そしてその生かされている理由は、自分には使命があり、それは執筆活動だという。
この本のあとがきが書かれたのは、死の5日ほど前だというのだから、驚きだ。
実際に、彼の残したこの本を、彼の死後、私の様に手に取る者がいて、
そして、何かしらの感銘を受け、彼の言葉に共感する。
神様が与えた使命の成果が確実にあるわけだ。
彼の人生が本となり、また彼の残した作品が映画となり、多くの人の目にふれる。
「ガンになってよかった」って言える人の人生を知ることは、
少なからず、人に何かを感じさせると思う。
何を感じるかは人それぞれで、何かを感じてくれればそれでいいと夏樹さんもおっしゃってる。
「命は神の領域」そんな風に、自分の命の期限を神様に委ねて、
心穏やかに、自然の美しさに感動し、生かされていることに感謝しながら、
終末期を過ごされていた。
そこにいたるまでには、きっと長く辛い時期もあったと思う。
そんな彼の言葉だからこそ心に響いてくる。
そして自分が健康であるがゆえに、今どれほど傲慢な思いでいるかが分かる。
「人間なんて五十歩百歩」という考え方には、肩の力が抜けて、楽になるし、
「思い煩いや心配が何かを解決したことなどない。
心配しても心を枯らすくらいだろう。信じることの方が大切だ。」
という言葉には、深く納得する。
病になったからこそ、深める家族の絆があったりします。
四人の子供達や奥様の様子から負のエネルギーは感じられません。
すばらしい家族を築かれたと思います。人生は長さじゃないですね。素晴らしい本でした。
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